身寄りがない一人暮らし高齢者の限界は何歳?割合はどれくらい?

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一人暮らし高齢者の増加グラフ 介護

本記事は、「高齢者の一人暮らし」をテーマに、その限界や割合、そしてQOL(生活の質)について解説しています。

年々増加する高齢者の一人暮らし。

「自分はいつまで一人で暮らせるのか?」

「老後破産や孤独死が不安…」

「介護が必要になったらどうしよう…」

こういった悩みを抱えていませんか?

この記事では、訪問マッサージ歴25年の私が、一人暮らし高齢者のQOLを向上させるためのヒントや、知っておきたい支援サービス、そして介護のリアルな現状と問題点について詳しくお伝えします。

この記事の4つのポイント
  • 高齢者の一人暮らしの割合と現状
  • 一人暮らしの高齢者の限界と抱えるリスク
  • 一人暮らしを続ける上での注意点
  • 利用できる支援サービスや制度

一人暮らしの高齢女性

一人暮らし高齢者の「限界」とは?

高齢者におけるQOLとは?

本題に入る前に「QOL」について説明させていただきます。

あなたは「QOL」という言葉をご存知でしょうか?

QOLとはクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)の略で、「生活の質」と訳されます。

高齢者のQOLとは、単に日常生活を送るだけでなく、その人らしく、そして納得のいく生活を送れているかどうかの指標です。

QOLは、「心身の健康状態」「経済状態」「社会的活動」「生活環境」など、さまざまな要素から総合的に判断されます。

例えば、「心身の健康状態」が良い状態とは、持病があっても定期的な通院や服薬をきちんと行い、安定した状態を保てていること、また、適度な運動やバランスの取れた食事を心がけ、心身ともに健康であることを指します。

食事をする高齢男性

「経済状態」は、年金や貯蓄などの収入があり、安心して生活できる状態であることが重要です。

「社会的活動」は、友人との交流や地域活動への参加などを通して、社会とのつながりを感じ、生きがいを持って生活している状態を指します。

「生活環境」は、住み慣れた自宅で安心して暮らせることや、困った時に頼れる人がいることなどが挙げられます。

ですが、加齢に伴う身体機能や認知機能の低下、経済的な不安、孤独感、病気や介護への不安など、QOLを低下させる可能性のある要因は多く存在します。

例えば、一人暮らしで身寄りがおらず頼れる人がいない場合、病気になった時に適切な対応が遅れてしまう可能性があります。

また、外出が困難になったり、人との交流が減ったりすることで、孤独感を深め、精神的に不安定になることもあります。

これらの要因が重なり合うことで、QOLは徐々に低下し、結果として「もう一人暮らしは限界だ」と感じてしまうことがあるのです。

高齢者の一人暮らしは何歳まで可能?

「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間・年齢のことを指しますが、最新の内閣府の高齢社会白書のデータによると、男性は平均72.68歳、女性は平均75.38歳とされています。

つまり、70代に入ると、男女ともに健康上の問題で日常生活に何らかの制限が出てくる可能性があるのです。

ですが、一人暮らしが可能な年齢には個人差があります。

例えば、私の訪問マッサージの患者様の中には、90歳を超えても一人暮らしをされている方がいらっしゃいます。

運動をする男性

その方は、日頃から栄養バランスの取れた食事を心掛け、適度な運動を欠かさず、活発な社会活動を続けています。

健康寿命を超えても、このように規則正しい生活習慣や生きがいを持ち、心身ともに健康であれば、自立した生活を送り続けることは可能です。

一方で、70代前半で一人暮らしが困難になる方もいます。

その方は、持病が悪化し、日常生活に支障をきたすようになったため、介護施設への入居を余儀なくされました。

このように、年齢だけで一概に「限界」を判断することはできません。

*厚生労働省の資料によると、令和2年(2020年)時点での65歳以上の一人暮らしの人の割合は男性15.0%、女性22.1%となっています。

ですが、健康寿命はあくまで平均値であり、一人暮らしを続ける上で必ずしもこの年齢が限界となるわけではありません。

70代は、体力や認知機能の低下を感じ始める方が多い年代ではありますが、日頃から健康に気を配り、

  • 定期的な健康診断を受ける
  • バランスの取れた食事を心掛ける
  • 適度な運動をする
  • 社会とのつながりを持ち続ける

といった心がけが、健康寿命を延ばし、一人暮らしを長く続ける秘訣と言えるでしょう。

また、将来介護が必要になった場合に備え、

  • 介護保険制度について調べておく
  • 老人ホームなどの施設情報を集めておく
  • 任意後見制度について検討しておくということも、安心して生活を続ける上で重要です。

参考:内閣府「高齢社会白書

漠然とした不安、限界を感じる瞬間とは?

「漠然とした不安」から、一人暮らしの限界を感じてしまう高齢者の方は少なくありません。

例えば、

  • 「日々の家事や食事の準備が億劫になってきた」
  • 「外出の意欲がなく、自宅に籠りきりになっている」
  • 「孤独死への不安がある」

といったものです。

不安を感じる高齢男性

また、

  • 「詐欺被害にあって、生活に自信がなくなった」
  • 「病気で体力が落ちている」

といった経験から、将来への不安を感じてしまうケースもあります。

訪問マッサージの仕事を通して、私は多くの一人暮らしの高齢者の方々とお会いしてきました。

その中で、このような不安を抱えている方を何人も見てきました。

特に、配偶者やお子さまを亡くされた方は、孤独感から将来への不安を強く感じているようです。

また、病気やケガを経験した方は、体力や気力の衰えを痛感し、「このまま一人で生活していけるだろうか」と不安を抱く方が多いと感じています。

このような漠然とした不安は、誰にでも起こりうることです。

ですが、そのまま放置しておくと、心身に悪影響を及ぼし、健康寿命を縮めてしまう可能性もあるので、このような不安を感じているのであれば、一人で抱え込まず、誰かに相談してみましょう。

家族や友人、地域の相談窓口など、頼れる人がきっといるはずです。

また、老人ホームなどの専門施設への入居も、一つの選択肢として考えてみてください。

体力や認知力の低下が引き起こす問題

年齢を重ねると、どうしても体力や認知機能の低下は避けられません。

この体力や認知機能の低下は、家事や金銭管理を困難にしたり、病気やケガのリスクを高めたりする可能性があります。

例えば、訪問マッサージの患者様の中には、足腰が弱くなり、立ったり座ったりする動作が困難になってしまった方がいらっしゃいました。

足腰が弱った男性

その方は、これまで一人で買い物や料理をこなしていましたが、筋力低下により、これらの作業が困難になってしまいました。

また、認知症を発症したことで、金銭管理ができなくなり、詐欺被害に遭ってしまったというケースもありました。

このような状況に陥ると、一人で生活していくことが困難になり、家族や介護サービスのサポートが必要になってきます。

特に、身寄りのない一人暮らしの高齢者の場合、頼れる人がいないため、早めに対策を講じることが重要です。

例えば、

  • 定期的な運動: ウォーキングやラジオ体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの良い食事は、体力や認知機能の維持に役立ちます。
  • 脳トレ: 計算やパズルなど、脳を活性化するような活動を取り入れましょう。
  • 地域との交流: 地域の集まりに参加したり、友人と会話を楽しんだりすることで、認知症予防にもつながります。
  • 家事代行サービスの利用: 体力的に難しい家事は、プロの力を借りるのも良いでしょう。
  • 金銭管理のサポート: 金銭管理が不安な場合は、家族や信頼できる人に相談したり、専門家のサポートを受けたりしましょう。

これらの対策を講じることで、体力や認知機能の低下を予防し、少しでも長く自立した生活を続けられるようにしましょう。

入院がきっかけで一人暮らしに限界を感じることも

入院によって心身の状態が悪化し、一人暮らしに限界を感じてしまう高齢者の方も少なくありません。

特に高齢者は、入院中に筋力や意欲が低下しやすく、「退院後も以前のように生活できない」ケースが多く見られます。

例えば、

  • 長期入院: 長期入院により、筋力や心肺機能が低下し、以前はできていた家事や移動が困難になることがあります。
  • 手術後の後遺症: 手術後の後遺症により、日常生活動作に制限が出てくることがあります。
  • 認知症の発症: 入院中に認知症を発症し、退院後に一人暮らしを続けるのが難しくなるケースもあります。

「入院は、心身の状態を大きく変えてしまう可能性がある」ということを、ぜひ覚えておいてください。

入院した高齢者

もし、ご家族や親戚が入院することになったら、退院後の生活について、事前にしっかりと話し合い、

  • 自宅での生活を続けるために必要なサポート
  • 介護保険サービスの利用
  • 老人ホームなどの施設への入居

などを検討しておくことが重要です。

身寄りがないケース

身寄りがない高齢者の方は、頼れる人がいないため、より一層の不安や孤独を感じやすいでしょう。

例えば、病気やケガをした時に、病院への付き添いや身の回りの世話をしてくれる人がいないと、心細く感じることもあるかもしれません。

また、将来介護が必要になった場合、誰に相談すれば良いのか、どこに頼れば良いのか分からず、不安を抱えることもあるでしょう。

身寄りがない高齢者

このような場合に備え、任意後見制度の利用を検討することをおすすめします。

任意後見制度とは、将来、判断能力が不十分になった場合に備え、あらかじめ信頼できる人(任意後見人)を選んで契約を結んでおく制度です。

任意後見人は、あなたの財産管理や身上監護(生活や医療、介護に関すること)をサポートしてくれます。

また、信頼できる友人や専門家(弁護士、司法書士、社会福祉士など)との関係を築いておくことも大切です。

困った時に相談できる相手がいると、安心して生活することができます。

身寄りがないからこそ、日頃から近所の方と積極的にコミュニケーションをとったり、地域の活動に参加したりするなど、社会とのつながりを意識的に持つようにしましょう。

*地域包括支援センターなど、公的な相談窓口も積極的に活用して下さい。

高齢者の一人暮らしの割合はどれくらい?

高齢者の5人に1人が一人暮らし

内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、2020年時点で、65歳以上の高齢者のうち、一人暮らしをしている人の割合は、男性が15.0%、女性が22.1%です

つまり、高齢者の約5人に1人が一人暮らしをしていることになります。

私は、訪問マッサージの仕事で多くのご家庭を訪問しますが、一人暮らしの高齢者の方々が増えていることを、肌で実感しています。

特に、女性は男性よりも長生きする傾向があるため、配偶者と死別し、一人暮らしになるケースが多いようです。

また、近年は、晩婚化や非婚化が進み、子どもがいない高齢者も増えています。

このような社会の変化が、一人暮らしの高齢者の増加に拍車をかけていると考えられます。

65歳以上の高齢者の一人暮らしは増加傾向

内閣府の「令和2年版高齢社会白書」のデータによると、65歳以上の高齢者のうち、一人暮らしをしている人の割合は、1980年には男性4.3%、女性11.2%でした。

その後、2015年には男性13.3%、女性21.1%となり、高齢者の一人暮らしが大きく増加しています。

この増加傾向は今後も続くと予想されており、2040年には男性20.8%、女性24.5%に達すると言われています。

昭和55年から令和2年までの推移

「65歳以上の一人暮らしの者の動向」によると、昭和55年(1980年)から令和2年(2020年)までの高齢者の一人暮らしの人数の推移は以下の通りです。

一人暮らしの人数(男性)一人暮らしの人数(女性)高齢者人口に占める割合(男性)高齢者人口に占める割合(女性)
昭和55年(1980年)19万3千人68万8千人4.3%11.2%
平成2年(1990年)31万人131万3千人5.2%14.7%
平成12年(2000年)74万2千人229万人8.0%17.9%
平成22年(2010年)138万6千人340万5千人11.1%20.3%
平成27年(2015年)192万4千人400万3千人13.3%21.1%
令和2年(2020年)230万8千人440万9千人15.0%22.1%

特に、女性の増加が顕著であり、昭和55年(1980年)から令和2年(2020年)までの40年間で、6.3倍以上に増加しています。

女性高齢者は一人暮らしの割合が多い?

一人暮らしの高齢者の割合は、男女で差があります。

前述したとおり、2020年のデータでは、男性が15.0%、女性が22.1%と、女性の割合が男性よりも7.1ポイントも高いです。

これは、平均寿命が女性の方が長いため、配偶者と死別して一人暮らしになる女性が多いことが原因の一つと考えられます。

また、男性と比べて、女性は経済的に自立している人が少ない傾向にあることも、一人暮らしの割合が高い要因の一つと考えられます。

問題を抱えた高齢女性

高齢女性の一人暮らしは、

  • 経済的な問題
  • 孤独感
  • 体力的な問題

など、さまざまな課題を抱えています。

ですが、公的な支援制度や地域のサポートをうまく活用することで、これらの課題を克服し、安心して生活を続けている方もたくさんいらっしゃいます。

例えば、地域のボランティア活動に参加したり、友人と定期的に交流したりすることで、孤独感を解消し、生き生きと生活している方もいます。

また、家事代行サービスや配食サービスを利用することで、体力的な負担を軽減し、自立した生活を維持している方もいます。

一人暮らしの高齢者、特に女性は、様々なサポートを活用しながら、自分らしく生きることを諦めないでほしいと思います。

高齢者の一人暮らしが増加している理由は?

高齢者の一人暮らしが増えている背景には、晩婚化や非婚化、核家族化の進行といった社会構造の変化があります。

また、高齢者の価値観の変化も影響しています。

「老後は子どもに頼らず、自立して生活したい」と考える高齢者が増えているのです。

訪問マッサージの患者様の中にも、「子どもに迷惑をかけたくないから、できるだけ長く一人で生活したい」という方が多くいらっしゃいます。

核家族化が進んだ現代社会において、高齢者夫婦のみの世帯や、子どもがいても別居している世帯が増えています。

また、未婚率の上昇や平均寿命の延伸により、一人暮らしの高齢者数は増加の一途をたどっています。

さらに、2025年には男性が約230万人、女性が約470万人、高齢者人口に占める割合は男性14.6%、女性22.6%にまで増加する見込みです。

このデータからも、高齢者の一人暮らしが今後も増加していくことが予想されます。

高齢者の一人暮らしが増加している主な理由

  1. 晩婚化・非婚化: 結婚しない、または結婚が遅くなる人が増えているため、高齢になっても独身の人が増えています。
  2. 平均寿命の延伸: 医療技術の進歩や生活環境の改善により、平均寿命が延び、高齢者人口が増加しています。
  3. 核家族化: 昔ながらの大家族制度が崩壊し、夫婦と子どもだけの世帯が増えています。
  4. 価値観の多様化: 「老後は子どもに頼らず、自立して生活したい」と考える高齢者が増えています。

これらの要因が複雑に絡み合い、高齢者の一人暮らしが増加していると考えられます。

一人暮らし高齢者のリスクとは?

一人暮らしの高齢者は、以下のようなリスクを抱えています。

  • 病気やケガへの対応の遅れ: 体調が悪くなっても、すぐに気づいてくれる人がいないため、重症化してしまう危険性があります。
  • 認知症の進行: 認知症は初期症状に気づきにくいため、一人暮らしだと発見が遅れてしまうことがあります。
  • 孤独死: 誰にも看取られずに亡くなってしまう孤独死は、社会問題となっています。
  • 社会的孤立: 孤独感から精神的に不安定になり、うつ病などを発症するリスクがあります。
  • 犯罪被害: 詐欺などの犯罪に巻き込まれやすいという点も、一人暮らし高齢者の大きなリスクです。
  • 災害時の対応: 地震や火災などの災害時に、一人で避難したり、適切な対応を取ることが難しい場合があります。

特に、身寄りのない高齢者の方は、これらのリスクがより高まります。

一人暮らし高齢者が抱えるリスク

例えば、病気やケガで動けなくなった場合、発見が遅れてしまう可能性があります。

また、認知症が進行すると、判断力が低下し、詐欺などの犯罪に巻き込まれやすくなります。

災害時にも、避難経路の確保や避難行動が困難になることがあります。

先にも登場した「高齢社会白書」でも、一人暮らしの高齢者は、病気やケガをした時に頼れる人が少ないという実態が報告されています。

また、友人や仲間が少ないと感じる高齢者ほど、生きがいを感じにくいという結果も出ています。

これらのことから、一人暮らしの高齢者は、孤独による健康上のリスクも抱えていると言えるでしょう。

身寄りがないからこそ、日頃から近隣との関係を築いたり、地域のコミュニティに参加したりするなど、いざという時に頼れる関係を築いておくことが大切です。

孤独という寂しさを解消する10の方法とは?

一人暮らしの高齢者が孤独を感じやすいのは事実です。

ですが、孤独を解消し、充実した生活を送るための方法はたくさんあります。

ここでは、10個の具体的な方法をご紹介します。

  1. 趣味を持つ: 旅行、カラオケ、映画鑑賞、読書、手芸、ガーデニングなど、自分が好きなこと、興味のあることに没頭する時間を持ちましょう。新しい趣味にチャレンジするのも良いでしょう。
  2. ボランティアや地域の活動に参加する: 地域の清掃活動や祭りなどに参加することで、人との交流が広がります。社会とのつながりを感じ、自分の存在意義を見出すことにもつながります。
  3. ペットを飼う: 犬や猫などのペットは、癒しを与えてくれるだけでなく、世話をすることで生活にリズムが生まれます。ペットとの触れ合いは、心の安定にもつながります。
  4. 仕事をする: 体力や能力に応じて働くことは、社会とのつながりを維持し、生きがいを感じることにつながります。収入を得ることで、経済的な不安も軽減できます。
  5. 運動をする: ウォーキングや体操など、軽い運動でも心身の健康維持に役立ちます。運動は、ストレス解消にも効果的です。
  6. パートナーを探す: 結婚相談所や婚活パーティーなどを利用して、新たな出会いを求めるのも一つの方法です。人生のパートナーがいると、孤独感も和らぎます。
  7. SNSを使う: FacebookやLINEなど、SNSを通じて友人や家族と連絡を取り合いましょう。離れて暮らす家族や友人とも、気軽にコミュニケーションを取ることができます。
  8. 老人ホームに入る: 孤独死の不安がある方や、介護が必要な方は、老人ホームへの入居も検討してみましょう。老人ホームでは、同じような境遇の人たちと交流でき、孤独感を解消することができます。
  9. 終活をしてみる: 財産整理や遺言書の作成など、終活に取り組むことで、将来への不安を軽減できます。また、自分の人生を振り返る良い機会にもなります。
  10. 二世帯住宅を建てて家族と住む: プライバシーを確保しつつ、家族のサポートを受けられる二世帯住宅も選択肢の一つです。家族の温かさを感じながら、安心して生活することができます。

これらの方法は、ほんの一例です。

大切なのは、「自分にとって何が大切か」を考え、「楽しみや喜びを感じられること」を見つけることです。

趣味の絵画をする女性

「もう歳だから…」と諦めるのではなく、積極的に行動し、新しいことにも挑戦してみましょう。

きっと、あなたにとっての「生きがい」が見つかるはずです。

老老介護の現状と問題点は?

老老介護とは、高齢者が高齢者を介護する状況を指します。

日本では高齢化が進んでいるため、老老介護の割合も増加傾向にあり、厚生労働省の調査によると、在宅介護全体の約50%を老老介護が占めています。

老老介護の問題

老老介護は、介護者と被介護者の双方が高齢であるため、以下のような問題を抱えています。

  • 介護者の負担増: 高齢の介護者は、体力や気力、経済的な面で負担を抱えやすく、共倒れの危険性もあります。介護する側も体力や気力が低下しているため、介護が大きな負担となり、心身に不調をきたす場合があります。また、介護のために仕事を辞めざるを得ない状況に陥り、経済的な問題を抱えるケースも少なくありません。
  • 介護の質の低下: 介護者が介護の知識や技術を持っていない場合、適切な介護ができない可能性があります。例えば、身体介護の際に誤った方法で行ってしまい、被介護者をケガさせてしまうといったケースも考えられます。
  • 社会的孤立: 介護に追われるあまり、介護者も被介護者も社会とのつながりが希薄になりがちです。介護は肉体的にも精神的にも負担が大きく、介護者は介護に専念するあまり、自分の時間や楽しみを犠牲にしてしまいがちです。その結果、社会とのつながりが薄れ、孤立感を深めてしまうことがあります。

老老介護は、これらの問題が複雑に絡み合い、悪循環に陥りやすい状況です。

例えば、介護者の負担が増えると、精神的なストレスから被介護者への態度が冷たくなってしまうことがあります。

すると、被介護者は孤独を感じ、精神状態が悪化し、さらに介護が必要になるという悪循環に陥ってしまうのです。

このような悪循環を断ち切るためには、介護保険サービスの利用や地域包括支援センターへの相談など、外部のサポートを積極的に活用することが大切です。

【関連記事】老老介護の現状と共倒れ問題について徹底考察してみた!解決策は?

限界を先延ばしにする対策とは?

一人暮らしの限界を先延ばしにするためには、以下の対策が有効です。

  1. 食事: 栄養バランスの取れた食事を心掛け、健康を維持しましょう。特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、不足しがちな栄養素を意識して摂取することが大切です。また、薄味を心掛けることで、高血圧や心臓病などの生活習慣病を予防することができます。
  2. 運動: 適度な運動は、体力維持だけでなく、認知症予防にも効果があります。ウォーキングや軽い体操など、毎日続けられる簡単な運動から始めてみましょう。
  3. 社会とのつながり: 地域の活動に参加したり、友人と交流したりすることで、孤独感を解消しましょう。地域包括支援センターでは、高齢者向けのさまざまな交流イベントや講座を開催しています。また、趣味のサークルやボランティア活動に参加するのもおすすめです。
  4. 自宅の環境整備: 手すりの設置や段差の解消など、バリアフリー化を進めることで、安全な生活環境を整えましょう。転倒や骨折は、高齢者の一人暮らしにとって大きなリスクです。家の中を整理整頓し、滑りにくい床材を使用するなど、転倒予防に努めましょう。
  5. 定期的な健康診断: 病気を早期発見し、適切な治療を受けることで、健康寿命を延ばすことができます。
  6. かかりつけ医を持つ: 何かあった時に相談できるかかりつけ医を持つことは、安心感につながります。
  7. 困った時は相談する: 悩みや不安を一人で抱え込まず、家族や友人、専門機関に相談しましょう。
  8. 情報収集: 高齢者向けのサービスや制度について、積極的に情報収集を行いましょう。

これらの対策をバランスよく行うことで、心身ともに健康な状態を保ち、一人暮らしの限界を先延ばしにすることができるでしょう。

訪問マッサージも、心身のリフレッシュや健康維持に役立ちますので、ぜひ一度お気軽にご連絡下さい。

訪問マッサージ専門「三宅治療院
京都市伏見区深草大亀谷万帖敷町123-36
三宅治療院
Tel:090-9887-0038 もしくはこちらからお気軽にご相談・ご連絡ください。

限界を感じたらどうするべき?

一人暮らしに限界を感じたら、一人で問題を抱え込まず、必ず誰かに相談して下さい。

孫に相談する高齢男性

相談相手としては、

  • 家族や親族: まずは、家族や親族に相談してみましょう。
  • 友人や知人: 信頼できる友人や知人に相談することで、気持ちが楽になることもあります。
  • 地域包括支援センター: 高齢者の生活に関するさまざまな相談に対応しています。介護に関する相談はもちろん、医療や福祉、権利擁護など、幅広い相談に対応しています。
  • 専門家: 社会福祉士、ケアマネージャー、弁護士などに相談することで、具体的な解決策を見つけることができます。例えば、介護サービスの利用方法や、老人ホームの選び方など、専門的なアドバイスを受けることができます。

相談することで、抱えている問題を整理し、解決策を見つける第一歩を踏み出せるはずです。

早めに行動を起こすことで、安心して生活できる環境を整えることができます。

「誰にも相談できない…」 という方もいるかもしれません。

そんな時は、「身元保証サービス」の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

身元保証サービスとは、入院や施設入居の際の手続き、緊急時の対応、死亡後の事務手続きなどを代行してくれるサービスです。

身寄りのない方でも、安心して生活を送るためのサポート体制を整えることができます。

また、老人ホームへの入居も、一つの選択肢として考えてみましょう。

老人ホームでは、食事や入浴、洗濯などの日常生活のサポートを受けられるだけでなく、医療や介護のサービスも充実しています。

さらに、同じような境遇の仲間との交流もでき、孤独感を解消することができます。

「まだ早い」と決めつけずに、まずは情報収集から始めてみましょう。

見学や体験入居なども可能ですので、お気軽に問い合わせてみてください。

参考:総合身元サポートのシニア総合サポートセンター

一人暮らし高齢者の生きがいは?

一般的に、高齢者の生きがいには以下のようなものがあります。

  • 趣味や楽しみ: 旅行、カラオケ、映画鑑賞、読書、手芸、ガーデニングなど、自分が好きなことに没頭する時間を持つことは、生活にハリと潤いを与えてくれます。
  • 地域活動への参加: 地域のボランティア活動やサークル活動に参加することで、社会とのつながりを感じ、生きがいを見出すことができます。
  • 仕事: 体力や能力に応じて働くことは、社会とのつながりを維持し、生きがいを感じることにつながります。
  • 家族や友人との交流: 大切な人たちと過ごす時間は、何物にも代えがたい生きがいです。
  • 新しいことへの挑戦: 語学学習や楽器演奏など、新しいことに挑戦することで、脳が活性化し、若々しさを保つことができます。

訪問マッサージの患者様の中には、絵手紙や俳句といった趣味を通して生きがいを見出している方もいらっしゃいます。

 

また、地域のボランティア活動に積極的に参加し、生き生きと過ごしている方もいます。

 

重要なのは、自分にとって何が大切かを考え、楽しみや喜びを感じられることを見つけることです。

積極的に社会とのつながりを持ち、人との交流を大切にすることも、生きがいを見つける上で重要です。

特に、一人暮らしの高齢者は、孤立してしまいがちです。

だからこそ、地域社会とのつながりを意識的に持つことが大切です。

例えば、

  • 地域のボランティア活動に参加する
  • 高齢者向けのサークルや教室に参加する
  • 近所の人と挨拶を交わす

など、小さなことから始めてみましょう。

きっと、あなたにとっての「生きがい」が見つかるはずです。

知っておきたい支援サービス8選

一人暮らしの高齢者をサポートするサービスは、多岐にわたります。

ここでは、8つのサービスをご紹介します。

  1. 訪問介護サービス: 介護資格を持つヘルパーが自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの介助を行います。身体介護だけでなく、調理や洗濯、掃除などの生活援助も行ってくれます。
  2. 訪問入浴サービス: 入浴が困難な方のために、専門のスタッフが自宅で入浴介助を行います。浴槽の持ち込みから後片付けまで行ってくれるため、自宅のお風呂に入れない方でも安心して入浴できます。
  3. 訪問看護サービス: 看護師が自宅を訪問し、医療処置や健康相談などを行います。病気やケガのケアだけでなく、服薬管理や健康状態のチェックなど、健康管理全般をサポートしてくれます。
  4. 訪問リハビリテーションサービス: 理学療法士や作業療法士などが自宅を訪問し、心身機能の維持・向上のためのリハビリテーションを行います。体力や筋力の維持、関節の動きの改善など、一人ひとりの状態に合わせたリハビリプログラムを提供してくれます。
  5. デイサービス: 日帰りで施設に通い、入浴や食事、レクリエーションなどのサービスを受けられます。他の利用者との交流を通して、孤独感を解消することもできます。
  6. ショートステイ: 短期間、施設に宿泊して、介護や支援を受けられます。旅行や冠婚葬祭などで家を空ける際や、介護者の負担を軽減したい時に利用できます。
  7. 配食サービス: 栄養バランスの取れた食事を自宅まで届けてくれます。買い物や調理が困難な方でも、手軽に栄養補給ができます。
  8. 見守りサービス: 緊急時の対応や安否確認など、一人暮らしの高齢者を見守るサービスです。離れて暮らす家族にとっても安心できるサービスです。

これらのサービスは、介護保険制度を利用することで費用を抑えることができます。

介護保険制度とは、40歳以上の人が加入する公的な保険制度で、介護が必要になった場合に、さまざまなサービスを利用することができます。

また、民間の事業者が提供するサービスも多数ありますので、ぜひご自身に合ったサービスを探してみてください。

様々な支援サービス

例えば、家事代行サービスや買い物代行サービスは、体力的に家事が困難な方にとって、心強い味方となってくれます。

また、緊急通報装置は、万が一の事態が発生した際に、ボタン一つで助けを呼ぶことができます。

これらのサービスを上手に活用することで、安心して一人暮らしを続けることができるでしょう。

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訪問マッサージ師が語る「共に歩む介護の道」

訪問マッサージ師として25年、私は多くの一人暮らしの高齢者の方々のお宅に訪問し、施術やリハビリを行ってきました。

歩行困難な患者さんをマッサージ

その中で感じるのは、ご高齢者の方々が抱える身体的な痛みや不自由さだけでなく、将来への不安や孤独感、そして「生活の質を向上させたい」という強い思いです。

患者様との会話の中で、不安や悩みを打ち明けられることも多く、そのような時は、じっくりとお話を伺い、一緒に解決策を考えるようにしています。

時には、介護サービスの利用を提案したり、地域の交流会を紹介したりすることもあります。

また、患者様の趣味や生きがいを見つけ出すお手伝いをすることもあります。

例えば、手先が器用な方には手芸を勧めたり、音楽が好きな方には楽器演奏を勧めたりと、その方に合った活動を見つけることで、生活にハリが出てくることがあります。

介護が必要な方々にとって、訪問マッサージは心身の健康を維持し、QOLを高めるための有効な手段の一つです。

マッサージやリハビリを通して、身体機能の維持・改善を図るだけでなく、心のケアにも力を入れています。

拙著「訪問マッサージ師が語る共に歩む介護の道:介護を通して家族の絆を深める」にも記しましたが、介護は決してネガティブなことばかりではありません。

介護を通して、家族の絆が深まったり、新たな生きがいを見つけたりする方もいらっしゃいます。

訪問マッサージを通して、患者様とそのご家族が笑顔で過ごせるよう、これからも「共に歩む介護の道」を歩んでいきたいと思っています。

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よくある10の質問と1文回答

  1. Q: 一人暮らしの高齢者の割合は?

    A: 2020年時点で、65歳以上の高齢者のうち、男性15.0%、女性22.1%が一人暮らしです。

  2. Q: 一人暮らしの高齢者は、何歳まで一人で生活できる?

    A: 健康寿命を目安にしましょう。しかし、心身の状態や生活環境によって個人差があります。

  3. Q: 一人暮らしの高齢者の生活をサポートするサービスはある?

    A: 訪問介護、訪問入浴、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、配食サービス、見守りサービスなどがあります。

  4. Q: 認知症の一人暮らしの高齢者は、どうすればいい?

    A: 介護保険サービスの利用やグループホーム、介護付き有料老人ホームへの入居を検討しましょう。

  5. Q: 高齢者の一人暮らしの増加の原因は?

    A: 晩婚化、非婚化、核家族化の進行、長寿化などが挙げられます。

  6. Q: 身寄りのない一人暮らしの高齢者は、どうすればいい?

    A: 任意後見制度の利用や、地域包括支援センター、専門家への相談がおすすめです。

  7. Q: 一人暮らしの高齢者が孤独を感じないようにするには?

    A: 趣味、地域活動への参加、友人との交流、ペットを飼うなど、さまざまな方法があります。

  8. Q: 老老介護とは?

    A: 高齢者が高齢者を介護する状況を指します。

  9. Q: 老老介護の問題点は?

    A: 介護者の身体的・精神的負担の増大、介護の質の低下、共倒れの危険性などがあります。

  10. Q: 一人暮らしの高齢者のQOLを高めるには?

    A: 栄養バランスの取れた食事、適度な運動、社会とのつながり、住環境の整備が重要です。

身寄りがない一人暮らし高齢者の限界は何歳?割合はどれくらい?のまとめ

最後にこの記事のポイントをまとめました。

  • 高齢者のQOLとは、その人らしく納得のいく生活を送れているかどうかの指標である
  • 2020年時点で、65歳以上の高齢者のうち、男性15.0%、女性22.1%が一人暮らしである
  • 高齢者の一人暮らしは何歳まで可能かは、健康状態や生活環境によって個人差がある
  • 70代になると、男女ともに健康上の問題で日常生活に制限が出てくる可能性がある
  • 健康寿命を超えても、規則正しい生活習慣や生きがいを持ち、心身ともに健康であれば自立した生活を送り続けることは可能
  • 高齢女性の一人暮らしは、経済的な問題や孤独感、体力的な問題を抱えている
  • 高齢者の一人暮らしが増えている背景には、晩婚化や非婚化、核家族化の進行、価値観の変化などがある
  • 一人暮らしの高齢者は、病気やケガ、認知症、孤独死、社会的孤立、犯罪被害、災害時などのリスクを抱えている
  • 孤独を解消し、充実した生活を送るためには、趣味を持ったり、地域活動に参加したり、仕事をするなど、さまざまな方法がある
  • 老老介護は、介護者と被介護者の双方が高齢であるため、介護者の負担増や介護の質の低下、社会的孤立などの問題を抱えている
  • 一人暮らしの限界を先延ばしにするためには、食事、運動、社会とのつながり、自宅の環境整備などが重要
  • 身寄りがない高齢者の方は、任意後見制度の利用や専門家への相談、地域包括支援センターの活用がおすすめ
  • 一人暮らしに限界を感じたら、家族や友人、地域包括支援センター、専門家などに相談することが大切

 

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